-南国-

「ああ…」
夕陽が、あいつの身体を赤く染める。

「リヒャルト」

私の名を呼ぶ。

こんな姿で外の空気に触れるのは初めてだ。
あいつは、私をコテージの外に呼び出した。
夕陽が海に落ちている眺めのステージへ。

そうして、長椅子に押し倒した…。




「…早く」

…奥底が疼く。
…欲しい。
…おまえが。
言えない。

それなのに、RQは胸に舌を当てた。

「ん!」
「綺麗な乳首…」
「違う」
「違わない…」

くすくすと耳元で笑い声。
そして、昔の傷痕にも舌を這わせる。

「…そこじゃない」
「ここが好き」
「早く…」

言えないのをわかっていて…こいつは。

足をあいつの身体に絡める。

「…」
「欲しい?」
「…もう」

熱いものが腿に当たっている。
視界の端はしに、あいつのそれが掠める。

「…おまえの、」
「これ?」
「ん」
「どうして欲しい?」
「早く…」

RQは、くすくすと笑って
「おねだりして」
と言った。

それを口に含む。
潮の味がする。
褐色の綿毛が頬をくすぐる。

「気持ちいい」
頭上で声がする。
「ん」

返事などできない。
あいつのもので、口が埋まっている。

「リヒャルトの味、するだろ」
「…」

これが、いつも私の奥を抉る。

あ、欲しい…。

それから口を離して、身体を寄せた。

「入れるよ」

こんな格好…誰にも見せないのに。
自ら足を高く上げる。

「綺麗だ。すごく動いてる」
「見ないで」

欲しがっているそこを、あいつの目が凝視している。
欲しい。
欲しい。
嫌だ…。

「嫌だ!」

その途端に身体に衝撃が走った。

「ああ!」
「すごい」

先ほどまで咥えていたものが、身体に埋められた。
ゆっくりと腰を動かす。

「…もっと」

早く、激しくして。

でも、言えない。

良いところを抉ってほしい。

言えない。

「ここ?」

それなのに、良いところをあいつは知ってる。

「違う」

そこ…イク。

「ダメ!」
「ここなんだ」

嫌な奴。大嫌いだ。

「おまえなんか嫌いだ!」
「気持ちいい?」
「よくなんか!…んあ」

あいつの指があれに絡みつく。

「ここ、硬くしてる」
「触るな、ばかっ」
「お漏らししてる」
「見るな、バカ…」

擦って…。
早く。
濡れてるものを。

先端に指をかけて、RQはゆっくりと動かした。

「あん…」
「可愛い声」
「嫌いだ」
「ここ、好きだろ」

良いところを、あいつはたくさん知ってる。

「そこじゃない」
「ここ」

そう言って、絡めた指と身体に埋められたそれを同時に動かす。

「んあ!ダメ、イク!」
「そう…まだ始まったばかりなのに」
「早く!あ、早く!」

嫌だ。
自分だけ、いつもこんなに感じて。
あいつは、したり顔でこちらを見つめている。

「おまえは…いつも何も感じてなくて!私はっ!」
「オレが何も感じてない?んなわけないだろ」

知ってる。知ってるけど。
あいつのものがはちきれそうに怒張してる。
あそこの淵が切れそうなくらいに。

RQは、途端に激しく突き動かした。

「ずっと、こうしたいけど我慢してんだぜ。これでも」
「あ…あ!イイっ!イイっ!もっと!」
「リヒャルト…」

激しく乱れる。こんな自分が何より嫌いだ。

「いやっ!」
「リヒャルト、好きだ」

身体の中のあいつが主張する。

「欲しいっ!早く!」

あいつが、この中でイクのを待っている。
こんな自分が嫌いだ。

一糸まとわぬ身体をさらしたまま、あいつの手に自分の指を絡めた。

「して…」

あいつの手を動かして、自分のものを激しく扱く。
気持ちいい…。

「…ああ、イイっ!」
「いやらしいリヒャルト、すごく」
「見ないで!」

あいつの水色の瞳。
あいつの頬。
あいつの胸。
腰、腿、腕、唇。

RQが私を抱いている。

奥深く埋め込まれたあいつ。
激しく揺さぶる身体。

感じる自分。

綺麗なあいつ。
傷跡が醜い私。

涙がこぼれた。

「おまえなんか、嫌いだ」
「オレは、リヒャルトが好きだ」

あいつの舌が口内を抉った。

「あ…」
「好きだ。ずっと、ずっと前から…これからも」
「…アーク、私は…おまえなんか、おまえを…」
「知ってる」
「違う」

RQの舌に自分の舌を絡めた。
たくさん、たくさん。
こいつは、私の目の前から消える。
醜い私を知ったら、消えていく。
そう思ってた。

RQは、秘密の多い男だ。
受け入れるのは危険だ。
それなのに…。

こいつがいなくなったら、私は…。

「あんたは、オレより気持ちを伝えるのが巧いな」

RQは、そう言って微笑んだ。

身体が悲鳴をあげている。
もう、達したい。

「イかせて…」
「うん、一緒に」

RQは身体を倒して、肌を重ね合わせた。

「愛してる」
「…アーク」

それは、初めて言われた言葉だった。

「私…」

こいつは、いなくなる。
いつか、いなくなる。
いつの日かわからない。
私もいなくなる。
このままでいけば。

そうして、いつかは二人ともいなくなる。

それでも、いなくならないでほしい。

私が消えても。
私が死んでも。

RQの身体を抱いた。
きつく、きつく。
硬い背中が熱くなっているのを感じた。

「しっかりつかまってろよ」

激しく、高みに昇っていく。

「ああ、すご…い…イイっ!」
「リヒャルト!」
「アーク…見ないで!イクッ!…ああ、イク、イク!」
「あ、リヒャルト!」



「愛してる」




誰かの声がした。