-機械仕掛けのシンフォニー-
「…では、諸君らの活躍に期待している」
「はっ!!」
ここは、アメリカにある某秘密機関。
新たに配属されたメンバーは、一様に黒い服を着せられ、この後すぐに地獄のトレーニングに入る。
「今年は、いい粒が揃ったって聞いたが、オレの目には大した奴はいなかったな」
「おまえは、今日は任務ではなかったのか」
「フフン、オレは難易度C以上の任務しかやらない主義でな」
「あいかわらず、迷惑な奴だ」
「長官殿!ただいま連絡が入り、No.568の任務は無事に完了したとの事です」
「わかった。もう下がれ」
「はっ!」
長官と呼ばれた男は、細身の身体を黒い軍服で覆った青年だ。
スレンダーな体型のために、実際年齢よりも若く見える。
どういうわけか、顔半分を長い前髪で覆っている。
その下に隠されている素顔を見たものは、ほとんどいないというミステリアスな男だ。
つねに鞭を持ち、態度も表情も常に硬いところから「鬼長官」の異名を取っている。
「おまえの知り合いが成功したそうだ」
「当たり前だ。春人なら」
そう答えた男は、マネキンのような彫りの深い整った顔をした長身の男だ。
2mを超える鋼の筋肉で覆われてた身体は、神話の英雄を想像させる。
髪を桃色に染めているところがトレードマークだが、残念ながら評判は芳しくないらしい。
「ずいぶんと買っているじゃないか」
「何だ、あんた妬いているのか?」
「私は、貴様のそういう態度が気に食わないのだ!」
「ピンク色の夢に抱かれてみるか?ここちいいぜ」
「…ふざけるな」
次の瞬間。
バシッと音がして、男の腕に赤い筋がついていた。
「オレの腕に茨の痕をつけるなんて、元暗殺者の腕は錆びちゃいないらしいな」
「・・・・」
「次は、なにをしてくれる?」
「さっさと行け!おまえみたいな奴を相手にしている暇はない」
「残念だ。オレはもっと変な奴を相手にしなきゃいけないのにな。
宇宙人なんて人間よりやっかいだぜ」
「それが、我々、スペース・セイフティ・ガードの役目だろう」
スペース・セイフティ・ガード、通称SSGは宇宙人保護を目的とする国際的秘密機関だ。
宇宙人同士の抗争に割って入ったり、別の宇宙人に狙われている宇宙人の保護までいろいろな任務がある。
「RQ…」
「なんだ?」
長官が男の名前を呼ぶのは珍しい。
「次の任務は、難易度Dランクだ」
「それがどうした」
「よって私も参加する」
「本気か?」
「私でなければならない理由があるのだ」
「そりゃいいが…、あんたを助ける余裕はないかもしれないぜ」
「ふん、別に助けてもらおうとなんて考えてないさ」
「フフ・・そうか、じゃあな!リヒャルト長官」
そういうと、RQは長官に背を向けて去っていった。
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