-「声もれ」-

 

 

「ねぇ、さっき誰か通ったよね・・」
「・・そうかな・・」

トトはこういう時にも警戒心が働く。
特に部屋の外に誰かいるのでは・・と、感じたら布団をかぶって身体を見せたがらない。
トトの場合、身体をジュールに見せるのが恥ずかしいというよりは、誰かに見られてるかも
しれない事の方が恥ずかしいのだ。
以前、ジュールはその事でからかって布団をむりやり剥いで行為を続けようとしたが・・。
トトの身体はすっかり醒めてしまった。

「緊張しちゃうんだ。ごめん・・」
と、トトは言った。

しかし、ジュールとしては少々物足りないのも確かで・・・。
何がゆえに布団の中だけでさぐりあわなければならないのだ?

今夜もトトは身体を布団の中に隠してじっとしている。
ここはイルミーネ王宮内にあるジュールの部屋。
めったに人が来ないが、今日は夜会があったため
先ほどから、たまに遠くの方で人が通る音が聞こえる。
しかし、国王と王弟が大事な話をするので、誰も近づけないように・・と言ってあるので
一応、緊急の事態以外ここの部屋に人は来ない。

それでもトトは警戒しているようだ。
少しでも「くちゃ」とか「ぴちゃ」とかそんな音でもしようものなら、「う、動き小さくして・・」と要求する。


「トト・・」

1PLAY終わった後
ジュールはたまにしか見せない拗ねた表情で言った。
「足りない・・・」
「え・・そりゃ・・私だって・・でも・・」
ちらちらと、トトがドアのほうを見る。
「鍵はしめてあるよ」
「知ってるよ」
「誰も来ないし・・」
「うん、わかってるけど・・聞こえそうで・・」
ひゃ・と言って、トトは一層身を縮めた。

「やだよ、トト・・足りない!」
「ダメだったらっ・・」
ジュールは、身を起こしてトトの足を開かせると、自身をあてがった。
「もう入れてもいいよね」
「もうって!!さっき終わったばっかり・・・」
いつの間にか、もとの状態に戻っているジュールを目にして、トトは驚き呆れた。
「そんなに・・したいの??」
「・・・(ちょっとムッ・・)」
さっきしたばかりだったので、トトのそこはまだ柔らかく濡れたままだった。
くちゃっと湿った音がして、ジュールが再び入ってきた。

「あ・・くう・・あ!ダメだったら!!」
「我慢できない!」
くちゃくちゃと濡れた音が高い天井に響く。
「ダメだったら!聞こえちゃうよ!!」
「聞こえたっていいっ!」
「・ジューーー」
先ほどはだいぶ遠慮していたらしく、静かにゆったりと動かしていたが、今度は、ベッドが軋む音を立てるほど、激しく動かした。

「あ・・やっ・・ダメダメ・・」
「奥まで響かせてあげる。この中の硬くなってるところ・・たくさん擦ってあげるから・・」
「やっ・・あ・・・っ・・ん、おっきいの、中で引っかかってるっ・・」

ジュールがわざと突き上げるように動くと、トトは「ひっ・・」と声を上げた。
「ほら、もっと声を聞かせて」
「・・」
首を振るトトに、意地悪な笑みを浮かべて、ジュールはトトのモノを急かすように指を絡ませ扱く。

「かわいいモノこんなに弾けそうにして、どうして欲しいの?」
「やぁ・・やだ!」

そう言いながら、トトはジュールの身体にしっかりとしがみ付いていた。

「中、ぐちゃぐちゃだよ。柔らかい・・」
「んんん・・」
「ホントはこんなに欲しかったんだ?」
「ちがう、ちがうよぉ!」

トトが顔を真っ赤に染めて、首を振る。
ジュールの手がトトの頬を捕らえて、深く口付けた。
口内を舌で嬲るような深いキス。
「ふぅ・・ぅ」
トトも熱に浮かされたように、ジュールの舌を吸った。
「すごいよ・・トト・・」
腰を突き動かしながら、ジュールは言う。
「下のお口もアレにしゃぶりついてる・・離してくれない・・」
「そんなこと・・」
ジュールが少し腰を引いてみせると、確かにトトの中がジュール自身に吸い付いていて、引き離すのに抵抗しているようだった。
「ああ、ああ・・」
「もっと・・って、せがまれているみたいだね」
笑顔で見つめてみせるジュールに、トトは顔を両手で隠した。
「やだぁ・・」
「すごいかわいい・・顔隠して、足だけ広げて・・やらしいとこだけ見せて」
「・・・」

ジュールの言葉にトトはますます身体を小さくした。
上げた足の先がちょびっと震えている。
「そんな爪先に力入れなくてもいいのに・・」
「ひゃあ!」
ぬるりと爪先に生暖かい感触を感じ、目をやるとジュールが指先を舐めているのが見えた。
「ダメだって!汚いよ」
「小さい指先・・おもちゃみたい・・」
こっちも・・とジュールはトトの手を取って、手の指にも舌を這わせた。

「ドキドキする・・」
トトがうっとりとした目付きでジュールを見ると、上目使いの水色の瞳に自分が映っていた。
指先に、乱れてくる熱い呼吸を感じる。
「感じてる?ジュージュ・・」
「・・・わかってるんなら、もっと気持ちよくしてよ」
ぐいっと腰をひきつけて、繋がっている部分を強く押す。
「っ・・・」
「今度はトトが動いて・・・」
そう言うと、ジュールはトトの身体を起こし、自分の上に乗るようにした。

「や・・できないよ・・聞こえちゃう・・」
「じゃあ、もう動かない」

動きを止めたジュールの上で、トトがもじもじと身体を動かす。
「やだ・・動いて・・」
「別に私は動かなくてもいいよ。トトがいっぱい締めてくれるから、気持ちいいし」
「うっ・・・」

何気ない顔で・・・・
こうも恥ずかしい事が言えるものだと思う。

しかたなさそうに・・トトは動き始めた。
しかし、ゆっくりと音ができるだけたたないように。
「ああ・・」
低音の喘ぎが聞こえる。
「ジュージュ・・気持ちいい?」
「うん・・」
「中で・・ピクピクしている・・」
「・・うん・・」

ジュールの顔を見ていると、本当は動いて欲しかったのだとわかる。
トトの中で、ソレが跳ねている。
「私も、ジュージュに動かして欲しい・・」
「もう・・手加減できそうにないけれど・・いい?」
「・・うん」

ジュールは自分も身体を起こすと、トトの身体を両手で支えた。
「ここも、膨らんでるね・・」
と言って、そこを舌でペロペロと舐めた。
「ひぁん!だめ・・だめ・・」
「お豆みたいに固くなってる・・」
チュッチュッ・・と音をたてながら、そこを吸い、口に含むと舌で激しく動かした。

「あん・・ああ・ああ・・・・ダメ・・そこだけでイっちゃう・・・」
「前もここだけでイっちゃったものね・・でも、まだダメだよ」

ジュールはトトの身体を支え、自分のモノを突き刺すように何度も動かした。
「やぁぁ!!もう・・もう・・・ジュージュのだけでイっちゃう!」
「私のだけでイってよ」

前に触れずに、ジュールは身体だけを突き上げて動かした。
トトの中に、どうしても我慢出来ない快楽が生まれていた。

もうどうなったっていい!
誰が聞いてても・・。

ジュールが動かしているだけでなく、トトも自分で腰を動かした。

「そこ・・・そこもっと擦ってっ!」
「うん、ここ?ここがいいんだ?」
「ああ!そこ・・イイっ!!おっきいのでいっぱい擦ってっ!!」
「うあ・・トト・・すごい・・いい」

「もっと気持ちよくなって・・」
トトがジュールの頬を舐める。

「気持ちいいよ。トトの中・・狭くて、柔らかくて・・ピクピク締まって・・」
ジュールが噛み殺したような吐息を吐きながら、身体を倒した。

ギシギシと寝台自体が揺れて軋んでいる。
堪えきれない荒い吐息だけが、空間を支配している。


こうして、二人で身体を丸めて交じり合っていると、本当に一つになったみたいに感じる。
呼吸が一つになって・・。


「ああっ!もう・・ジュージュのだけでイっちゃう・・っ!!」
「私の・・だけで、イって!・・・・・・白いのいっぱい・・中で出すよ・・」

トトの身体が撓った。
ジュールの身体に白い飛沫が飛ぶ。


「はぁ・・」
一息吐いて、ジュールはとっさにトトに深く口付けた。
「ん・・くっ・・」
トトの息が一瞬止まる。
同時に身体の中に深く刺さった楔が最奥に達した。
身体の中で、熱い塊が何度も大きく跳ね、大量の液体が注がれる。

「ああ・・ジュージュ・・」
満たされてゆく・・身体の中から癒されていくみたいに・・。
「ごめん・・もうちょっと・・」
余韻の残るソコに、また固いものが侵入している。
きつく擦るように2・3回揺さぶると、もう一度トクントクンと脈打つリズムで、液体が注がれた。




「・・」
「どうして分割払いなんだろう・・・?」
ふと、ジュールが言った。
「前立腺肥大とかじゃない・・?」
「ちょ・・それは早すぎる!いくらなんでもっ!!」
青ざめるジュールの身体を撫でながら、トトはそれをじっと見た。
「おっきいと肥大になるの?」
「そ・・それは関係ないと思うけど・・男性ホルモンのバランスの問題で・・でも早くても50代からじゃないかな?」
「ふ~ん。じゃあ、いっぱいあり余りすぎてるんだよ。1回じゃ出し切れないくらい」
「そういう事にしときます・・」

「今日はここに寝て・・トト」
「うん・・でも、朝戻んなきゃいけないけど・・起こしてね」

一応、国王トトは王弟ジュールと大切なお話を夜通ししている事になっている。

「ねぇ・・」
トトは心配そうな顔でジュールの胸をつんつんと突いた。
「聞こえなかったかな?」
「さぁ・・たぶん・・たぶん・・」
ジュールはどうでもよさそうな返事をして、静かに目を閉じる。

「聞こえてたら、どうしよう・・」
「あなたが一人でエロ本を読んでいた・・という事でかたずけましょう」
「やだよ!」
ジュールが口元だけでクスクスと笑っている。
「大丈夫だよ」
そう言ってトトの頭を撫でた。

「人の気配しなかったから」
「そんな事まで、気にしてたの?」
あんなに激しくしてたのに・・。
「まぁ・・」
「ちゃんと私の事見ていた?」
「うん、もちろん。私だって、トトの恥ずかしい声が漏れないかどうか心配で・・・
ジュージュのだけでイっちゃう!とか・・」

「!ばか!」
トトは布団で顔を隠した。
そのままモジモジと奥深く潜っていく。

「このまま寝るから・・起こしてね。必ずだよ・・」
「うん・・」

ジュールが布団の中を覗くと、小さく丸まったトトが目を閉じていた。



「おやすみ」






次の日

「アルキュード公、昨夜は狼が王宮に出たそうですよ」
庭を散歩するジュールに某貴族が話しかけた。
「ほぉ・・それは物騒ですね」
と返事をしながら、ジュールは・・まさか・・と思う。

「どうにも、公のお部屋の近くまで来ていたとの噂で・・唸り声が聞こえたとか・・」
「いや・・少しも気づきませんでした。そういえば、昨日は陛下とお話をしていたのですが
外は風が強く吹いていましたね。ビュービューと」
「そうでしたか?」
昨日は美しい静かな月夜であった。
「ああ!するとあれが狼だったのですか!それは恐ろしい・・警備の者に言わなくては」
ジュールが真剣に驚愕の表情を浮かべたものだから、某貴族はうなずいた。

「すると、やはり公も聞かれて・・」
もちろん、警備の人間に夜警を厳しく・・などとは言わないつもりのジュールであった。
そして、1週間以内に狼の噂もたちどころに消えた。

闇で・・・誰かが握りつぶしたらしい。

「噂の煙は早めに消しておかないとね・・フフフ・・」



-オワリ-